埼玉県 原山Y邸

弊社代表淀川美和の自邸です。
自身で設計をし自社にて工事をしました。

物件概要
所在地 埼玉県
種 別 2階+LOFT戸建て住宅

コンセプト CONCEPT

自宅の設計となると色々な思いがよぎりたくさん悩みました。
普段の仕事とはまた別の感覚かもしれません。

まず、どんな家にしたいかを、大きく3点考えました。
1、子どもも大人も健やかに過ごせる家
2、家事や生活がスムースにできる家
3、広さと明るさを感じる家

文字で書いてみるとごく当たり前のことですが、
この3点をベースに細かく計画を立てていきます。

計画 PLANNING

次に具体的に間取りや内装を考えていきます。ここからは、
「こんな家にしたい」→「ならこうしよう」又は「これはちょっと難しい」
という膨大なプロセスをふんでいく作業になります。
建築基準法はじめ法令条例に沿っていかなければなりませんし、
理想を追求しすぎて予算が足りないことがあってはいけません。
何から考えて、何を重視して決めればいいのかというと、先にあげた3点のポイントがとても大事なことになります。

1、子どもも大人も健やかに過ごせる家
 →子どもが安心して過ごせて楽しい家。子どもに危険が及ばない家というのが一番の願いでした。
  しかし一方で子ども向けすぎて大人が満足いかない家でもどうかと思います。
  小さかった子どももすぐに大きくなりますし、ママやパパも満足できる家であるのが一番だからです。
  室内環境については、子どもが直にふれる場所に、木やしっくいなど、自然素材をたくさん使うことにしました。
  また、同時に色柄のクロスやタイルなども組み込んで、見た目にも満足できるような、楽しい内装になるよう自分らしさを取り入れていくことを考えました。

2、家事や生活がスムースにできる家
 →我が家は共働き家庭です。家事がスムースにできるというのは、日々の生活上、最重要ポイントになります。
  もちろん、ママは主だって家事をしますが、パパだって家事もします。
  どこに何があるかをママだけしか分からない家ではダメなわけです。
  良い意味で「風通しの良い家」を目指すことにしました。
  具体的には、「キッチンの収納」「洗面所の収納」「ファミリークローゼット」この3つの空間を大きめにとって
  何がどこにあるかすぐわかる、なおかつ家が散らかって見えにくくする、という工夫をしています。

3、広さと明るさを感じる家
 →都市部に住む上で当然ながらついてくる「近隣住居を考えての家づくり」
  抜群の日当たりの良さを最大限生かしたい。でも隣の家はすぐそこで窓から明るさをとるのも限りがありそう…
  そこで、今回は天窓を2つ取り付けることにしました。
  屋根に太陽光発電パネルを載せることを考えると、天窓はつけたとしても1つのほうが良いのでしょうが、家の中を明るくすることを重視しました。
 また、リビングダイニング空間は仕切りのない広々とした空間にし、上部は吹抜けで天窓から明るさがとれ、窓の外にはウッドデッキが広がりリビングが続いているような錯覚も感じる…
 リビングで過ごすとき、面積の数値以上の広さを感じるよう工夫を凝らすことにしました。

完成したお部屋

玄関です。
子どものころに見た外国の赤い玄関ドアのかわいい家が憧れだったので、それを実現しました!
材料の手配も自社で行いましたが、今回は玄関ドアを一番はじめに発注しました。
スウェーデンから3か月かけて取り寄せたものです。
広めの空間のエントランスには中央に壁を立てて、
壁の向こうは下足入れやカバンかけなどを設置し家族エントランスにしました。

浴室・洗面・トイレスペースです。
ガラスのドアで浴室内部まで見せることにより、広さを感じさせる作りにしています。
実際は、通常のトイレ、洗面所、浴室、の大きさをくっつけただけで、特別広いわけではありません。
(※浴室だけは洗濯を干すスペースを作ったため、通常の1.5倍の広さにしました。)
ガラスの入口ドアは、少ない力で開けることのできるもので子どもでも楽に開け閉めができますし、
動きもゆっくり滑らかで手を挟むこともありません。
中が丸見えで気になる場合は、目隠しカーテンをおろすとプレイバシーを保てます。

洗面台の下は、扉があると中にモノをたくさん入れて逆に使いづらくなってしまうため、
オープン棚にして、タオルやかごを見せるように収納してます。
ワンアクションで必要なものを取り出せるので、子どもでも自分で出したりしまったりが簡単にでき便利です。
逆側の壁には、こまごましたものをしまえる収納スペースと、洗濯機置き場があります。
扉で閉めてしまえば洗濯機も隠れてしまう、大きな収納スペースです。

浴室です。
戸建て住宅のお風呂は通常1坪ほどの大きさにすることが多いですが、
1.5坪とりまして、洗濯物を干すスペースを作りました。
洗濯機もそばで干しやすいですし、雨でも夜でも
洗濯が干せて、共働きには大変重宝しています。
安らぎの場所として、お風呂にはこだわりたかったので、
在来のタイル張りの浴室に、バスタブを置くスタイルにしました。
色々と悩んで決めて、工事の細かい部分で職人さんたちと
話し合った苦労もありましたが、大変な思いをした分、完成にはとても満足です。

寝室です。
1面だけアクセントクロスを貼りましたが、他の壁・天井はしっくいです。
おそらく、しっくいなら家じゅう全部しっくい、クロスなら全部クロス、
というケースのほうが多いと思うのですが、私のこだわりで
しっくいとクロスを併用した仕上げにしたかったのです。
結果、吸放湿性のあるしっくいが空気環境を良くしてくれるのに加え
見た目もカラフルな楽しそうな内装になりました。

 

ファミリークローゼットです。
家族全員分の服がここにあります。
洗濯ものをたたむ、しまうのがこの部屋で完結するので家事がとても楽です。
低い位置に子どもの服をかけたり収納しているので、
子どもも自分で服を選んだりしまったりができます。

1階には私の仕事部屋があります。
本棚、打ち合わせテーブル、仕事で使うサンプルやアートなどの見本が置いてあります。

階段で二階に上がります。
階段室の壁と天井はしっくい、手すりはフローリングと同じ、無垢の杉です。
杉の手すりは触った感触があたたかく、人工の素材特有の冷たさと違い、とても気持ちがよいです。
毎日必ず触るところなので、ここはこだわってよかったなと思ったところの1つです。
壁のしっくい塗は、1階と2階で塗り方を変えてもらいましたが、階段室へ続く壁の角から切り替わっています。
1階が「模様付けなし仕上げ」フラットで平らな仕上がりで、
2階が「コテ波仕上げ」コテのあとを残して塗る方法にしました。
当初は模様付けなしのみの仕上げにする予定でしたが、
職人さんに伺ったところどちらでも作業労力・時間は変わらないとのことで、
あえて両方取り入れてみました。
フラットなほうがモダンでシンプルな印象、
コテ波のほうはカジュアルな親しみやすい印象です。

リビングダイニング、ダイニング方向を見たところです。
真ん中は梁が現しになっている吹抜けで、2つの天窓からの光がとても明るいです。
奥に見える赤いはしごは、私が図面をかいて、お友達の製材所に製作してもらったオリジナルのヒノキのはしごです。
この家は家じゅう木をたくさん使いました。
協力してもらったのは、どちらも実家が製材所の2人のお友達です。
床のフローリングは実家が奈良の製材所のお友達のお父さんに
吉野の山から採ってきてもらった吉野杉。
杉は木の中でも柔らかい部類に入りますので、素足や素手で触れた感触がとても暖かくやわらかな印象です。
突板やシートが表面に貼ってある複合フローリングとよばれるものは
冬場に触れるとヒヤッとすると思いますが、無垢はそれと比べると感触が全く違います。
南側のリビングは夜でも昼間の暖かさが残っているほどです。
ですので、今回は床暖房は入れませんでしたが、冬でも素足で過ごせて快適です。

キッチンを正面から見たところ。
吊戸はつけず、タイル張りの壁にオープン棚をつけて見せる収納にしました。
日々つかうものはキッチン下の引き出しにしまい、
食材のストック類などはキッチン隣に設けた収納庫へまとめることに。
大きな収納庫には冷蔵庫も入っており、扉を閉めるとスッキリ隠れます。

キッチンの作業台とダイニングテーブルです。
今回こだわったことの1つが、この作業台。
子どもたちとお菓子や料理を作ったり、作業台を囲んで料理をしながら話をしたり。
そんな日々のコミュニケーションの場所が欲しいなと思って作りました。
下台のキッチン側はレンジや炊飯器を置くスペース、
反対側は食器やカトラリーを入れる収納スペースです。

リビングダイニング、リビング方向を見たところ。
天井の羽目板は鳥取の製材所のお友達に協力してもらった鳥取の智頭杉です。
「木」のある空間にいるとなんだか落ち着きますよね。
一説によると、空間全体の1/3ほどに木が使われているのが、一番人が心地よいと思うバランスなんだとか。
このような吹抜け空間で、フローリングと天井の一部に木が使われているのが
このバランスに近いのかな、と思いました。

リビングスペースです。
作り付けの棚をテレビ台にして余分な家具は置かずにすっきりと。
床も見えることで奥行き感も感じられ、お掃除ロボも楽に入れます。
掃出し窓の外にはウッドデッキのテラスが見え、
リビングが外までつながっているような錯覚効果で
広さを感じることができる作りになっています。

リビング一角の本棚スペース。
本来は、置き畳とちゃぶ台のようなカウンター机を置いて
子どもたちが本を読んだり塗り絵をしたりと、くつろぐスペースにする予定でしたが、
その後の流れでトランポリン置き場になってしまうということに。
ですが、子どもの遊びに、家族の運動不足にと、日々活躍しております。
正面の壁は黒板クロスを貼って、子どもたちの落書きスペースに。
「ここだけは落書きしていいよ」というと、不思議と他には落書きしません。
正面の窓につけたのは、鳥取の杉で作っているブラインド。
上下するときにふわっと木の香りがして安らぎ効果満点です。

子ども部屋です。
今のところ1部屋を二人で使っていますが、将来的には真ん中でわけるかもしれないと考えてます。
ベッドは、下から引出しのように出てくる2段ベッド。
高さがないので圧迫感もなく、空間を有効活用できるすぐれもの。
娘からお姫様ベッドにしてほしい、と頼まれたので天蓋をつけてかわいらしくしました。

今は二人の遊び部屋として楽しく使っているようです。

トイレです。
トイレ内はカラフルにしてもドアを閉めてしまえば外からは気にならないので、
好きな壁紙を貼れる場所の1つです。

ロフトスペースです。
リビングの梯子をのぼっていくと、子どもたちの遊び場兼収納スペースのロフトになっています。
子ども部屋に置ききれないおもちゃや、季節外の品物、お姉ちゃんのお古のお洋服、写真などの保存物、
などなど、たくさんしまえる場所です。
秘密基地的なスペースのようで子どもたちは楽しく遊んでいます。

最後の一枚はロフトから下のリビングダイニングを見下ろしたところ。

◇あとがきに代えて
以前お客様から、子どもに安全な部屋にしようと思って家具を買っていったら
自分たちの好みではない部屋になってしまい残念で…
という話を聞いたことがあり、以来、子どもにも安心安全で大人も満足。
の空間づくりをできるよう心がけています。
自身の家でもそのことを常に頭に置いて作り上げました。
ここには書ききれない苦労や、思いや、なんでこれを選んだのか、
その他、日々机上でも現場でもたくさんのことがありました。
多くの職人さん、業者さんたちに多大な協力をいただき、完成させることができました。
工期5か月という長い期間、近隣の皆さまにもご迷惑をおかけしました。
多くの皆さまのお力添えがあって一つの家ができるということを、
身をもって感じることのできた案件でした。
まだ小さい子どもたちを育てながらの、現役子育て世代
ママ建築家の本音での家づくりのご紹介でした。
これから家づくりをしようという皆さまの、何かしらのヒントになることができたなら幸いです。
ママ建築家と一緒に家づくりをしたいとお考えの方、歓迎します。
ここに紹介した空間は予約をしていただけますと見学可能です。
ぜひお問い合わせお待ちしています。

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